バリーオッさんとTOEIC900の呪縛

100の記事をまず書く。100万文字。語学、育児、家事、料理、音楽、Netflix、僕というダメ人間は、書くということでマインドセットをしてきた。あえて日常に起こるちょっとしたストレスをボケたり突っ込んだりすることで、自分の気持ちが軽くなる。ダイハードのマクレーン刑事や、フルメタルジャケットのジョーカーのように、どんな状況でも笑い飛ばせる人間でありたいと小学四年生から変わらないモットー。

匂わないブリの名は

近大ブリカマ塩焼き

近畿大開発の匂わないブリ
「ご存知、話題の近大ブリ!」と近所の魚屋のダミ声が響いていた。
存じ上げんし、えっ話題なの?と竜宮城帰りみたいな気分で、ダミ声に吸い寄せられた。

近大のマグロの養殖は聞いたことあるけど、ブリって、話題になってたっけ? ネットニュースをたまに見るぐらいだから、フェイクニュースでも騙されちゃう可能性大の僕には、「ニュースはネットで起こっているんじゃない、「現場で起こっているんだ」という、湾岸署感のある独り言。「現場ってどこだよ? 」となぜか怒っている。5切れ入りの切り身パックにするか、カマのパックにするか思案。
カンガルーの後頭部を狙うアボリジニのブーメランのように圧倒的な存在感のあるカマにしよう。名案。魚屋の冷蔵庫からパックを手に取った。

そもそも「ブリの匂いを科学の力でなんとかしたい。だってたえがたいほどくさいもの 」というスタートで開発されたのだろうか? あまりピンと来ない。個人的には匂いの嫌な食べ物ではないから。サイレントマイノリティなのだろうか。確かに「青魚はにおいがねー」とか死んだ、小柳さん(知人)が言っていたな。
「青魚は生臭いからいやーん」というサイレントマジョリティに捧げる近大からのリボンつきのプレゼントなのかもしれない。優しいな近大。

クサヤは臭いし、吐きそうになる。これは個人的な許容範囲をこえる匂いでクサみの向こう側にあるウマミに到達するより早く、吐いてしまう。完敗だ。君とは付き合えそうにない。
匂いの許容には個人差があるだろう。
まあ確かに、子供の頃サバの匂いは駄目だったなーという程度のものだ。ブリはどうだ? 照り焼きが好きさと思う。確かに安いブリは少し生臭い印象はあるけど、生姜や濃いタレでごまかしてるのかな?


匂わないとあれば、塩焼きもいいな。

近大というと、なにか先進的で近代的なイメージが、語感に引っ張られてあるし、
匂わない=美味そうという感じがする。

女性は匂いがあるほうがなんか興奮する。いや好きな匂いの人じゃないとそもそも長く一緒にいられないだろう。好きだけど死ぬほど嫌いな匂いだから。鼻を焼き払えばつきあえるとか、ガスマスク着用の恋なんてお互いつらいだろう。これは僕のただの性癖の問題かもしれない。自分にはない匂いの女性を探し、掛け合わすことで、欠点を補うように、自分達より免疫力の高い子どもを後世に伝えようとする。その為に好きな匂い(自分にはない免疫力を持った異性)を、嗅ぎ分ける遺伝子があるようだから、自分にとって特別な女性の特別汗かく部分の匂いが好きなのは、生まれながらに組み込まれたプログラムなのかもしれない。僕ら夫婦は出会ってから十数年もたち、見てくれもお互い大分変化し、肉体からほとばしる下着メーカーの広告に使われるモデルのようなセックスアピールは殆どないだろう。それでもパラレルワールドか何かの街中で妻の匂いが適当な商品名のアロマで売られていて、僕がテスターを手にしたら、思わず買ってしまうと思う。どんな綺麗な女性の下着でも、いい匂いでも悪臭でも、自分の身体が、好意的な反応するかどうかは自分でもわからないということだ。誰のものでもいいというおかしな性癖だと、下着泥棒にでも体操着泥棒にでも成り下がってしまうのだろう。奇妙な話だが妻の脱いだパジャマは落ち着く匂い感じだし、下着については精力剤のような効果を持っている。妻の匂いがオーガズムのトリガーとなってしまっている。少し勃起が弱いときは、下着を被るというソリューションがある。妻の匂いが思い出され、股間に血液が流れ込む。昼間から、魚屋で、チンコ膨らましている場合ではない。

好きあらば素敵な女の子に触れてみたいというささやかな希望や、満月の夜の狼のようにとにかく目的もわからず女が頭から離れない欲望が溢れそうな日もある。こういった金玉思考、金玉衝動は男の不治の病として男の僕には組み込まれている。理性や知性が成長したのか、男性ホルモンが減少し精力が減退したのか、金玉の叫びや願いをコントロールすることが出来てきた。妻にもそういう、子宮思考や子宮衝動があるのかもしれないが、お互いあまり深くは追求しない。色々選択肢のある世の中で、僕は妻と一緒にいるのは何故かということを、砂金取りみたいにふるいにかけると、子どもとか、結婚とか別にすると、単純に妻の匂いが好きということが、名前のないピュアなものとして残りそうだ。遺伝なのか運命なのか性癖なのかはよくわからないし全てぶち込んだダークマターのようなものだろう。

例えば満員電車やエレベーターで、なんか好きな匂いだと、誘惑される女性がいれば、これは運命なんです、私があなたをいい匂いとおもうということは、あなたも私の匂いが好きな可能性が高く、それは風邪を引いてもすぐ治る様な、素敵な子どもを作れるという、素敵なことなんですと警察に通報されるリスクを冒して見る価値があるということなのか。

犬がケツの匂いを、嗅ぎ合うみたいに本能の赴くままの世界で、これは?と思ったら、お互いにケツの匂いを嗅ぎあい、匂いの好き嫌いだけを基準に人と付き合い子作りしていったら、医療費が減るのだろうか?

一体俺は何を考えているのだろう。

「お金ないのかね、凄く悩んでるわね」というひそひそ声が聞こえてくる。

近大ブリのパックを見つめながら、立ち尽くす。

霜降りはメンドくさいから、このキンブリ(こうまで略すとキンメとブリの金麦のミューテーション感が出て、何が何だか想像がつかない)なら塩振って半刻おいて、サッと洗って、オーブンにぶちこめばいいんじゃない?
手抜きできる! このアイディアは家事をする者
すべてに捧げるバラッドなのだ。
米より無洗米
栗より甘栗むいちゃいました(家事?)
チーズよりキレてるチーズ
箒よりルンバ
雑巾掛けよりブラーバ
ブリより匂わないブリ
文明、イノベーション、新たなる文明のスパイル。

前前前世から、僕は近大ブリを探していた気がする。
アカシックレコードを、虚空に映し出し、走馬灯の様にリワインド。
「あっ、ブリ食ってくっさーと言ってるわ。前前前世の僕。忘れたくないブリ! 忘れちゃいけないブリ! 忘れちゃダメなブリ! ブリの名は?」と「近大ブリー」響くダミ声に納得する。買い物中の孤独な顔した老紳士や老淑女が顔を伏せて僕の後ろを足早に抜ける。
近大ブリのカマをワンコインで購入。

ブリって何? 7歳の娘からの質問

ピチューピカチューライチューならライチューだな。

  • 80cm超えでブリ

計測された中には娘より大きいのもいるみたいよ。

  • 魚へんに師(マスター)でブリだから先人達のリスペクトを感じるだろ?

カマってどこ? 7歳の娘からの質問

  • 人間でいうと口の下うなじから胸にかけてかな?

脂が乗っていておいしいぞー。

ハンニバル レクターでも見る目で娘に睨まれる。

ハンニバル・ライジング (字幕版)

近大ブリなんで匂わないの? 7歳の娘からの質問

  • ウナギ味のナマズを、開発したエライ先生のプロジェクトでうまれた新しい養殖、新しい加工、新しい保存管理、新しい流通システムで匂わない
  • 匂わなくなるエサで養殖

どうやって? それは将来勉強して。

  • 最新機器で瞬間凍結

どうやって? もうエルサみたいなスゲー機械なんじゃん?

  • 特殊保護フィルムで酸化防止

どういうこと? 空気に触れないようにして腐らないようにするやつのスゲエやつができたんじゃん?
とうちゃんもエサたべて、凍って、フィルムでまかれれば? 鼻をつまみながら娘が言う。
喧嘩売ってるのか?
いやこれも、遺伝子で、娘と父が変なことにならないように、思春期の娘は、自分も半分持っている父親の匂いを嫌うように出来ているらしい。でも7歳だから、普通に臭いのだろう。
まあ、とうちゃんにスーッと分かるぐらいのことは、
近大がやるわけない。なんか魔法みたいなすごい事でやったんだろうさ。口笛。


近大カマの塩焼きレシピ(ハンニバル的誤解を与える)

  1. オーブンを230度で余熱
  2. 塩を厚めに振って、30分放置
  3. 出てきた水分をキッチンペーパーでふき取る
  4. 天板にクッキングシートを敷き、塩胡椒、ローズマリーをふったブリカマを乗せ、オリーブオイルをドブドブかける
  5. オーブンで20分程焼く。たまに庫内を確認して、皮に好きな焦げ目をつける。


レビュー 重要なことは、ウマかマズかだ

表面はカリッととして、中はジューシーでフワフワとして、アッサリ塩味だから子供も妻もモリモリと食べた。匂いも確かに気にならず、調理は簡単で、満足感も高い。コスパいいね。
また見たら買っちゃうなきっと。
近大ブリはウマ tasty not a horse

参考URL

https://cookpad.com/recipe/3581107

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